相手のために本を選ぶということ。「ブックセラピー」は可能か。
僕は本が好きです。本のある空間も好きで、図書館や本屋に週2〜3回は行きますし、暇があれば本を読みにカフェに行きます。どこに行くときも、かばんには常に1冊以上しのばせています。
恋人や友人へのプレゼントもしばしば本を選びます。自分が読んだなかで、その人に、そのシチュエーションにぴったりだと思う本を選ぶのは愉しいです。
そんななか、これは半端な気持ちではできないなと思う相談をもらいました。
ひとりの友人に本を何冊か選んで贈ります。
その友人はとある精神疾患を以前から持っていて、今回は調子が悪くなってしまい療養中。ようやく少し落ち着き、本くらいなら持って行ってもOKになりました。
友人はこれまであまり本を読むことがなく、いきなりヘビーなものは読みきれません。
さてどうするか。
一冊の本がひとに大きく影響を与えることはよくあります。
価値観まで変えるものは稀ですが、気分を上げたり下げたりは日常茶飯ですよね。
自分の贈った本で元気になってくれるかもしれないし、かえって塞ぎこんでしまうかもしれません。
できれば深い感動と自分自身を見つめなおすような時間をあたえてくれ、前に踏み出す支えになってくれればと思う一方、ヘビーすぎる話で傷付けてしまうのは避けたい。でも、浅いハッピーな話を読んでもなあ。
ってことで迷っています。
夏目漱石の「こころ」が家にあったのでまず手に取りましたが、これってなかなかキツいとこあるじゃないですか。僕は大好きだけど。ちょっと躊躇。
とりあえず丸善に行って買ってきたのが以下の4冊。
「アルケミスト―夢を旅した少年」パウロ コエーリョ
「星の王子さま」サン=テグジュペリ
「ホノカアボーイ」吉田 玲雄
「キッチン」吉本ばなな
たぶん読む順序もあると思うんですよね。だんだん慣らしていくような。
また自分でも読み返して考えます。どうなったかは追って。
皆さんなら、どんな本を贈りますか?
「ブックセラピー」ってあり得そう
本は数十万の言葉の束となって相手に届きます。対面で話すよりも圧倒的に多いですし、誰かの話は受け入れ難い人にも(反抗期とかね)本ならそっと侵入していけます。
相手の症状を聞き(病気とみなされるものから、恋の病や仕事の悩みまで)適切な本を処方してあげる「ブックセラピー」なるものがあったらいいんだろうな。
というかもう面白い本屋でやってそうだよね。池袋かどこかでは「本の処方箋」みたいのがあるって話を聞いた気が。
最適な本を処方するためには、聞く力や共感する力も必要だけど、一番大事なのはどれだけ引き出しを持っているかだと思う。どれだけ本を読んで、ストックしていられるか。本のボキャブラリー、いわばブッキャブラリー(笑)が大きい人って素敵。
サウイフモノニ、ワタシハナリタイ。
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